大広間の畳
京都は亀岡の畳屋、龍頭畳店です。
今回は一昨年6月に完納させていただいた亀岡市にある宗教法人様の大広間の、畳の入れ替えのお仕事の紹介です。
お声掛けをいただいたのは前年の2月でしたので、約1年半かけての当店としては大仕事でした。
今回は私にとっても貴重な経験をさせていただき感謝しかありませんでした。

目次
- ○ 現状調査から始まり
- ・見積書作成
- ・正式依頼から材料の確保まで
- ○ 採寸から納品まで
- ・採寸
- ・新畳の作製から納品まで
- ・納品 その1
- ・納品 その2
- ・まとめ
現状調査から始まり
お客様よりお電話をいただき、早速現状調査とお客様のご意向を確認にうかがいました。
畳の枚数を数えるだけでも相当な時間がかかりました。
お客様には材料の説明(畳床と畳表等)をさせていただき、後日見積書をお届けするお約束をしてその日は失礼いたしました。
見積書作成
現状調査の時に数えた畳の枚数と、写真のように丸くくり抜く畳や長細い畳、斜めに切らないといけない畳等難しい作業を要する仕事も多かったので、見積書も慎重に作成しました。
正式依頼から材料の確保まで
見積書をお客様にお渡ししてから数ヶ月して、正式に仕事のご依頼をいただきました。
枚数にしてざっと250帖以上あったので、先ずは材料の確保を急ぎました。
今回は表替えではなくて、新畳に入替えの仕事なので、畳表はもちろんのこと畳床(畳の土台)の確保が肝心でした。
というのも、今回使わせていただく畳床はわら床と言って全てわらで作られている昔ながらの畳床で、わらの確保と共にこれを作って下さる職人さんが少ないという問題もあったからです。
しかし、何とか両方を前もって話をつけることができたので、作業開始までに確保することが無事に出来ました。
採寸から納品まで
材料の確保ができたので、いよいよ採寸に取り掛かり採寸が出来れば新畳の作製に入るわけです。
新畳の作製に入るにあたり、採寸をいかに正確に行えるかが鍵になってくるわけです。
というのも、畳の納品、つまり畳を敷き込む作業ですけれども、広間の場合、真ん中の方は同じ寸法になるように割付という作業を行うのですが、端の寸法はここにしかこの畳が収まらないという寸法になることが多いです。
例えば上の写真のように端が三角形のような形をしていればここにしかこの畳は収まらないわけです。
採寸
この大広間は写真のように丸い柱が多く、一番困難な仕事になるのですが、採寸もまた、非常に困難な作業となりました。
ですので、この採寸作業からは、京都の信用できる畳店さんにご協力していただきました。
この、採寸作業だけでも、畳のプロ4人がかりでまる2日かかり、細かい採寸は後日に残して、先にできる畳から作り始めようということにして、ようやく新畳の作製に取り掛かることができました。
新畳の作製から納品まで
採寸に取り掛かったのが、お客様から最初にご連絡いただき現状調査に伺ってから、1年後にスタートしたということですが、最終納品期限は7月末に決まっていましたので、途中残していた細かな採寸等をはさみながら、順調に新畳を作り上げていきました。
納品 その1
250帖を超える枚数の畳を一気に作り上げるのは、もし寸法が間違っていたら作り直しや手直し等伴うリスクが半端ではないので、最初に半分を敷きこむことにしました。先ず古い畳を撤去して、床板を掃除して、新しい畳を敷きこむという段取りで、朝から夕方までかかってようやく半分の畳を敷きこむことができました。ということでここまで採寸の間違いや、畳作製中の寸法の間違いはないということ確認できたので、ここからは安心して新畳を作製できるわけです。
この1日の作業は私の他に6人の方々にお手伝いいただき、テキパキ動いていただけたので、非常にスムーズに進みました。流石、京都の畳のプロフェッショナル‼
納品 その2
納品前半に続き後半も前回と同じメンバーに来ていただき、前回同様に古畳の撤去、床板の掃除、新畳を敷きこむという段取りです。今回は2回目ということもあり慣れてきたので、すごくスムーズに敷きこむことができました。ほぼ午前中には納品が完了しました。午後から掃除をして終了となりました。
大広間は部屋の端の方が少し残りましたが、別に聞いていた小部屋の畳とともに予定より1ヶ月早く全て納品が完了することができました。
まとめ
今回はご縁あって、このような良いお仕事をいただき、私にとっても凄く良い勉強になりました。お話をいただいてから、約1年半という期間をかけての当店にとっても大仕事でしたが無事に期日までに納品でき、なによりもお客様にも喜んでいただくことができ本当に良かったです。
また、このようなお仕事をいただけるよう日々精進していきたいと思っています。
これをご覧になった皆様も、ぜひ龍頭畳店にお声替えしていただけるとありがたいです。
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