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古民家の畳

皆さん、こんにちは。

京都府亀岡市の畳屋、龍頭畳店です。

今回は、先日表替えのご依頼をいただきましたお客様のお宅の畳を、ご紹介させていただきます。

今回のお客様は、約20年ほど前にも表替えをさせていただいたお客様ですが、今回も当店にご依頼いただきました。

今回は畳床(畳の土台)も大分やわらかくなっていたので、新畳入替もご提案させていただいたのですが、座敷でもあり普段あまり使う部屋ではないので、表が綺麗になればよいとのことなので、今回も表替えをさせていただくことになりました。

下見させていただいた時に確認したところ、畳床(畳の土台)は100年以上経っている古い物でしたが、状態が良く表替えでも大丈夫と判断しました。まさに古民家の畳と言える状態の畳です。

 

古民家の畳

目次

100年以上前の畳

古民家の畳

今回の畳に使われている畳床(畳の土台)は全て人の手によって作られたものです(機械は使われていません)。
もちろん、100年以上経っているので、その当時に機械は無かったでしょうから、当然といえば当然なのかも知れません。
うちの父によると、私の祖父なら作っていたはずなので作り方も知っていたとの話です。祖父も他界してから40年以上になるので、教えてもらうわけにはいかないのですが…
ちなみにうちの父も床作り(畳の土台作り)はしていたそうですが、手回し製畳機といって機械化になった初期の機械を使っていたそうです。
それでもわらに圧縮をかけたりするのを、手で機械を回して作業していたので、大変だったと思います。

板締めという工程

板締め

この工程は板締めといって、畳表を張った時に畳の寸法が小さくならないようにしっかりと畳床に木の板を縫い付けて締め直すという工程です。これを怠ると表替えをして納品した時に、部屋と畳に隙間があいてしまったりする原因になってしまいます。
ですから、板締めする前と後にはしっかりと寸法確認をし、また畳表を張った後にも寸法の確認をしなければなりません。
写真では少しわかりにくいですが、黄色の糸でVの字に縫ってあるのが板締めの糸です。

残りの表替え作業

板締めまでの作業に時間がかかりますが、残りは通常の表替えの作業と同じです。
今回は畳床の状態が良かったので、後の作業は通常通り機械を使って畳表を張った畳床に縫い付けたり、縁を縫い付けたりすることができました。
ただし、もう少し畳床に状態が悪ければ、機械を使わずに手で一針一針縫っていくという作業も必要になってきます。板締め後に畳床の表面のデコボコなんかも直していくんですが、今回は前回の表替えの時に直しておいたので、その作業は省くことができました。

まとめ

今回は、なかなか経験することができない畳と出会うことができ、いい経験をすることができました。表替えをさせていただいた今回のお客様にも感謝しています。
だんだんと今回のような畳と出会う事も少なくなっていくと思いますが、畳屋の技術で、何とかこのような人の手で作られた畳も後世に残していけたらと思いました。
畳屋として技術を身に付けたことは私にとっての財産となり、またこのような仕事と出会うことを楽しみにしたいと思います。

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